明治通りごしに見た水鏡天満宮の石鳥居と朱色の玉垣
FUKUOKA・TENJIN

すいきょうてんまんぐう

水鏡天満宮

「天神」という地名は、この社からはじまった。
ビルの谷にひらいた朱の境内で、千年前の水面をのぞきこむ。

御祭神
菅原道真公
開門
7:00 – 19:00
拝観料
なし
所要
10 – 30分

Iware

水に映した、その姿から

社の名も、目の前の街の名も、たったひとつの故事から生まれました。「天神」という日本有数の繁華街の地名は、この小さな社に始まります。

  1. 延喜元年901

    水面に映る、やつれた姿

    大宰府へ左遷される菅原道真公が博多に上陸し、四十川(現在の薬院新川)の清流に自らの姿を映して嘆いたと伝わります。「水鏡」「容見(すがたみ)」の名はこの故事に由来し、川には今も「姿見橋」の名が残ります。

  2. 道真公の没後

    今泉に、小さな社

    公の霊を慰めるため、里人が現在の中央区今泉のあたりに社を建てたのが、この社のはじまりと伝えられています。

  3. 慶長十七年1612

    福岡城の鬼門へ

    福岡藩初代藩主・黒田長政公が、城の鬼門(東北)を鎮める守り神として、社を現在の地へ遷しました。城下町の設計そのものに、この社が組み込まれたことになります。

  4. 江戸前期

    社殿の再建

    二代藩主・黒田忠之公により社殿が再建されたと伝わります。のちの福岡大空襲をまぬがれ、当時の建物が今も残ります。

  5. 近代以降

    まちの名になる

    社を中心とした一帯は「天神町」と呼ばれるようになり、やがて九州最大の繁華街「天神」の地名として定着しました。

Midokoro

境内をひとめぐり

敷地は決して広くありません。けれど一歩ずつ、見落としがたいものが置かれています。

扁額

鳥居の扁額

第32代内閣総理大臣・廣田弘毅が、少年時代に揮毫したと伝えられる一額。石屋の子として育ち首相にまで昇った人物の、はじまりの筆跡が、天神のまんなかに掲げられています。

臥牛

撫で牛

天神さまの神使とされる牛の像が、参道や境内のあちこちに伏せています。自分の悪いところと同じ場所を撫でるとよい、頭を撫でれば知恵を授かる、と語り継がれてきました。

朱鳥居

荒木田稲荷神社

境内社。狭い一角に朱の鳥居が幾重にも連なり、ビル影の下とは思えない密度の景をつくります。ほかに秋葉社・大黒社も祀られています。

楠と神池

ガラス張りのビルを背景に、太い楠が枝を広げます。足もとの神池には鯉が泳ぎ、水面に朱の玉垣が映りこむ——社名にふさわしい光景です。

鷽(うそ)の石像

天満宮とゆかりの深い鳥、鷽。奉納碑の頂にちょこんと据えられた姿は、見落としやすいけれど一度気づくと忘れられません。

社殿

緑青の屋根、朱の柱

緑青を吹いた銅板屋根と、鮮やかな朱塗りの柱。空襲を越えて残った社殿は、天神という街の記憶をそのまま留めた建物でもあります。

Shashin

写真で見る境内

朱の柱、緑青の屋根、砂利を踏む音。18枚の写真で、明治通りの一歩内側をたどります。

写真をクリック/タップすると拡大表示します。左右キーで前後の写真に移動、Esc で閉じます。

Sanpai

参拝の手引き

拝観料は要りません。門が開いているあいだ、誰でも自由にお参りできます。

拝観料

無料

境内の参拝は自由です。

御朱印

書き置き

初穂料はお気持ち(300円程度の案内も)。社務所にて。

お守り・絵馬

授与あり

学業成就・合格祈願のものが中心。初穂料が必要です。

御祈願

要問い合わせ

七五三・お宮参り・各種祈祷。事前に社務所へ。

開門 7:00 – 19:00(年中無休・開門時間) /社務所 社務所・授与所はおおむね 9:00 – 16:00 頃
授与所が閉まっている時間帯は、御朱印やお守りを受けられないことがあります。行事の日程や受付時間は変更される場合がありますので、確実を期す場合は社務所(092-741-8754)へお尋ねください。

いつ訪ねるか

  • 朝 7:00〜9:00

    いちばん静か

    開門直後。通勤の人波が始まる前で、境内には自分の足音しかしません。東から差す光が朱の柱を照らす時間帯でもあります。写真を撮るならここ。

  • 平日 12:00〜13:00

    天神の日常

    昼休みに立ち寄る近隣のオフィスワーカーの姿が見られます。まちの神社としての顔がいちばんよく分かる時間。

  • 夕暮れ

    ビルの影と灯り

    周囲のビルが暗くなり、境内の灯りが浮かび上がります。中洲の屋台へ流れる前の立ち寄りに。

  • 避けたい混雑

    正月・受験期

    正月三が日と、合格祈願が集中する1〜2月は行列ができます。夏祭(7月24・25日)、秋祭(10月24・25日)も人出が増えます。

どれくらい居るか

  • 約10分

    手水を使い、拝殿でお参りするだけ。乗り換えの合間でも十分に立ち寄れます。

  • 20〜30分

    扁額、臥牛、荒木田稲荷、楠と神池まで、境内をひととおり。御朱印を受けるならこのくらい。

  • 半日

    アクロス福岡、赤煉瓦文化館、天神中央公園、中洲まで含めた天神散策。

Access

行き方

福岡でもっとも交通が集まる場所の、ちょうど真ん中。地下鉄・私鉄・バスのいずれからも数分です。

地下鉄

  • 福岡市地下鉄 空港線「天神駅」

    16番出口より徒歩約2分。地上に出るとすぐ明治通り。

  • 福岡市地下鉄 七隈線「天神南駅」

    徒歩約8分。天神地下街を北へ抜けるのが分かりやすい。

私鉄

  • 西鉄天神大牟田線「西鉄福岡(天神)駅」

    徒歩約5分。北口から明治通りへ出て東へ。

バス

  • 「アクロス福岡・水鏡天満宮前」

    下車すぐ。停留所は鳥居のほぼ正面にあります。

  • 「天神四丁目」「天神一丁目」ほか

    天神地区には多数の停留所があり、いずれからも徒歩圏内。

主要拠点から

  • JR博多駅から

    地下鉄空港線で2駅・約5分(天神駅下車)。バスでも約10分。

  • 福岡空港から

    地下鉄空港線で乗り換えなし・約11分。日本有数の「空港が近い街」。

  • 中洲・川端から

    那珂川を渡って徒歩約8〜10分。

所在地

〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神1-15-4

電話 092-741-8754

目印

明治通りの南側、アクロス福岡のほぼ向かい。歩道に面して石鳥居と朱の玉垣が続いているので、通りを歩けば見落とすことはありません。

地図で見る

駐車場

専用駐車場はありません

  • 参拝者用の駐車スペース・駐輪場は境内にありません。
  • 周辺は時間貸しのコインパーキングが点在しますが、天神中心部のため相場は高め(40分300円前後が目安)です。
  • 明治通り・渡辺通り沿いは終日交通量が多く、路上での停車はできません。
  • 週末やイベント開催時は周辺の駐車場も満車になりがちです。公共交通機関でのお越しを強くおすすめします。

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鳥居を出たあとで

参拝そのものは十数分。この社のいいところは、そのあとに続く時間がいくらでもあることです。

食べる

水鏡天満宮横丁

徒歩0分

社の玉垣に沿うようにのびる小路。台湾点心、とんかつ、とり天、焼魚の定食屋——間口の狭い店がぎゅっと並び、昼どきは近隣で働く人でにぎわいます。参拝のあと、そのまま流れ込むのがいちばん自然な食事どころ。

中洲の屋台

徒歩約8分

那珂川沿いに夕方から灯がともる、福岡の看板風景。ラーメン、焼きラーメン、おでん、天ぷら。夜の参拝とあわせて歩くなら、こちらへ。

天神地下街・新天町

徒歩1〜5分

雨の日でも濡れずに移動できる地下街と、昭和のアーケード商店街。カフェ、うどん、パン、和菓子まで一通りそろい、天神での時間調整に便利です。

博多うどん

天神一帯

こしを立てない、やわらかい麺。ごぼう天と丸天をのせるのが博多の作法です。天神周辺には老舗から新店まで数多く、朝から開く店もあります。

もつ鍋・水炊き

天神〜西中洲

福岡の夜といえばこの二皿。西中洲や大名まで足をのばすと、落ち着いた構えの店が増えます。人気店は予約が確実。

明太子と土産

徒歩3〜7分

岩田屋・大丸・天神地下街の食品フロアで、明太子、鶏卵素麺、通りもんなど博多の定番がまとめて手に入ります。

歩く

アクロス福岡 ステップガーデン

徒歩1分

社の真向かい。南側斜面が段々の森になった巨大建築で、「アクロス山」とも呼ばれます。階段を登る屋上展望台は土日祝のみの開放(10:00〜16:00頃)。

福岡市赤煉瓦文化館

徒歩2分

東京駅を手がけた辰野金吾らの設計、明治42年(1909年)竣工の赤煉瓦。国の重要文化財で、入館は無料。社から歩いてすぐの同じ町内です。

天神中央公園・旧福岡県公会堂貴賓館

徒歩5分

那珂川に面した公園と、明治期の木造洋館。ベンチも多く、参拝後にひと息つく場所として使いやすい一帯です。

警固神社

徒歩10分

天神の南、渡辺通り沿いに鎮まる社。ビルの谷間にひらけた境内という点で、水鏡天満宮とよく似た表情をしています。

櫛田神社・川端商店街

徒歩15分

博多祇園山笠で知られる「お櫛田さん」と、そこへ続くアーケード。天神から中洲を抜けて博多側へ歩く、ちょうどよい散策路になります。

太宰府天満宮

電車で約30分

道真公が下り、そして眠る地。水鏡天満宮の物語は、この社への道すがらから始まりました。西鉄福岡(天神)駅から直通の電車があります。

※ 徒歩の所要時間は目安です。各施設の開館時間・料金は変わることがありますので、訪問前にそれぞれの公式情報をご確認ください。

Q & A

よくある質問

はじめて訪ねる方から、よく寄せられる問いをまとめました。

拝観料は必要ですか。

境内の参拝は自由で、拝観料はかかりません。御朱印・お守り・御祈願などの授与品や祈祷には、それぞれ初穂料が必要です。

開門時間は何時から何時までですか。

おおむね午前7時から午後7時まで開門しています。社務所・授与所が開いている時間帯はこれより短く、9時頃から16時頃が目安です。御朱印やお守りを希望される場合は日中の参拝をおすすめします。

駐車場はありますか。

境内に参拝者用の駐車場はありません。天神一丁目は福岡市内でも屈指の交通量があり、周辺のコインパーキングも料金が高めです。地下鉄・西鉄・バスなど公共交通機関でのお越しを強くおすすめします。

御朱印はいただけますか。

書き置きの御朱印が授与されています。社務所が閉まっている時間帯は受けられないことがあります。初穂料や授与の可否は時期により変わるため、確実に受けたい場合は事前に社務所へお問い合わせください。

なぜ「水鏡」という名前なのですか。

延喜元年(901年)、大宰府へ左遷される途上の菅原道真公が、現在の中央区今泉あたりを流れる四十川(現在の薬院新川)の水面に、やつれた我が身を映して嘆いたという故事に由来します。同じ逸話から「容見(すがたみ)天神」とも呼ばれ、川には今も「姿見橋」の名が残っています。

繁華街「天神」の地名とは関係がありますか。

あります。「天神」とは天神様、すなわち菅原道真公を指す呼び名です。慶長十七年(1612年)に黒田長政公がこの社を現在地へ遷したのち、社を中心とした一帯が「天神町」と呼ばれるようになり、それが今日の地名「天神」へと受け継がれました。

参拝にはどのくらい時間がかかりますか。

境内はコンパクトで、お参りだけなら10分ほど。鳥居の扁額や臥牛像、荒木田稲荷神社、境内の楠などをゆっくり見て回っても20〜30分あれば十分です。

鳥居の扁額は誰が書いたものですか。

第32代内閣総理大臣・廣田弘毅が、少年時代に揮毫したものと伝えられています。廣田は現在の福岡市中央区の生まれで、石屋の家に育ちながら首相にまで昇りました。天神のまちなかに、その少年期の筆跡が残っていることになります。

どんなご利益がありますか。

御祭神が学問の神様として名高い菅原道真公であることから、学業成就・合格祈願・技芸上達などで参拝される方が多い社です。周辺がオフィス街であることもあり、仕事はじめや商談前に立ち寄る方の姿もよく見られます。

ベビーカーや車椅子でも参拝できますか。

境内は平坦で距離も短いものの、参道は砂利敷きの箇所があり、社殿前には数段の階段があります。無理のない範囲でご参拝ください。詳しい状況は社務所にお尋ねいただくのが確実です。